第96回アカデミー賞授賞式にプレゼンターとして登場したジェニファー・ローレンス。レッドカーペットの常連である彼女は、今回もファッショニスタの注目を集めることになりました。今回纏ったのは、ディオール オートクチュールによる特注ドレス。細部までこだわり抜かれたその美しさは、まさにオートクチュールの真骨頂と言えるでしょう。
ローレンスとディオールの関係は長きにわたって良好なことで知られています。今回彼女が選んだのは、マリア・グラツィア・キウリが手がける2024年春夏オートクチュールコレクションからの一着。ストラップレスのブラックドレスは、アイボリーのドット柄で彩られ、ランウェイのフィナーレを飾ったルック59と同様、同柄のスカーフが付属しています。
シルクモアレを使用したドレスは、波打つような光沢が特徴的ですが、この生地を作るには濡れた生地を重ね合わせ、熱を加えながら圧力をかけるという手間のかかる工程が必要とされます。実に1,500時間もの制作時間をかけられたという報道からも、オートクチュールの職人技の粋を集めた逸品であることが窺えます。
レッドカーペットのドレスといえば、ソリッドカラーが定番というイメージがありましたが、ローレンスやゼンデイヤ(アルマーニ プリヴェ着用)のようなファッションアイコンたちが、ドット柄のようなプリント生地もメイクやヘア、アクセサリーをシンプルにまとめることで、エレガントかつシックに昇華させる術を見せています。ローレンスは、ダイヤモンドのテニスコートネックレスとブレスレットを合わせることで、ドレスの美しさを一層引き立てています。
今回のローレンスのドレスは、オートクチュールの持つクラシカルなエレガンスと、遊び心のあるドット柄が見事に融合した秀逸な一着と言えるでしょう。レッドカーペットにおけるプリントドレスの可能性を広げる、そんなファッション・モーメントになったのではないでしょうか。